結婚式という特別な一日を彩る、プロフィールムービー。二人の生い立ちやなれ初めをゲストに紹介するこのムービーの印象は、BGM選びで大きく変わると言っても過言ではありません。感動的なシーンにするも、明るく楽しい雰囲気にするも、BGMがその鍵を握っています。
数ある悩みの中でも「BGMって、何曲使うのが良いんだろう?」という曲数に関する疑問は、多くの新郎新婦が抱えるものです。本記事では、プロフィールムービーのBGM曲数について、定番の1曲構成から3曲構成まで、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説。さらに、ムービーのクオリティーを上げる曲選びのコツまで、分かりやすくお伝えします。
プロフィールムービーのBGM曲数が重要な3つの理由
BGMを何曲にするかという選択は、ムービー全体のクオリティーやゲストに与える印象を左右する重要な要素です。なぜ曲数がそれほど大切なのか、その理由を3つの観点から深掘りしてみましょう。
ムービー全体の「流れと統一感」を作り出すため
BGMの曲数は、ムービーの全体的な「流れ」と「世界観」を決定付けます。例えば、全体を1曲で構成する場合、ムービーに一貫した雰囲気が生まれ、まるで一本の短編映画のような統一感を出せます。ゲストはBGMの世界観に没入し、二人のストーリーにじっくりと集中できるでしょう。
一方、複数曲を使用する場合は、新郎パート、新婦パート、二人パートといったシーンの転換を明確にする効果があります。曲調を変えることで、それぞれのパートの個性を際立たせ、ムービーにリズムと抑揚を生み出します。しかし、曲数が多過ぎると、頻繁なシーン転換が逆にムービーの流れを寸断し、ゲストを混乱させてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
ゲストの「感情移入度」を高め、飽きさせないため
適切な曲数の選択は、ゲストの感情を巧みにコントロールし、ムービーへの没入感を高めることにつながります。感動的なバラード1曲をじっくり聴かせる構成は、歌詞とメロディーが心に染み渡り、深い感動を呼び起こすでしょう。一方で、複数曲を使い、しっとりとした曲調から明るい曲調へと変化させる構成は、ゲストの感情に心地よい起伏を生み出し、最後まで飽きさせない工夫となります。もし5分以上のムービーでずっと同じような単調な曲が続くと、どれだけ良い写真を使っていても、ゲストは途中で集中力を失ってしまうかもしれません。曲数の変化は、ゲストの心を惹き付け続けるための重要な演出テクニックなのです。
伝えたい「メッセージ性」を明確にするため
プロフィールムービーは、単なる思い出の紹介だけではなく、両親やゲストへの感謝、そして二人の未来への決意を伝えるという大切な役割も担っています。BGMの曲数は、この「メッセージ性」をどう伝えるかにも大きく関わってきます。例えば、新郎パートでは「親友への感謝」、新婦パートでは「両親への愛情」というように、それぞれのパートで個別のメッセージを強調したい場合は、曲を変えるのが効果的です。
逆に「二人で歩む未来」という一つの強いメッセージをムービー全体で表現したいのであれば、そのテーマに沿った1曲を選ぶことで、よりストレートに思いが伝わります。曲数を欲張り過ぎると、一つひとつのメッセージが薄まり、結局何が伝えたかったのかが曖昧になってしまうこともあるため、テーマを明確にすることが重要です。
ムービーの曲数は1~3曲が一般的
一般的に、結婚式のプロフィールムービーで使用されるBGMの曲数は、1曲から3曲が主流です。
プロフィールムービーの適切な上映時間は、ゲストが飽きずに集中できる5~8分程度とされています。市販の楽曲は1曲当たり3~5分のものが多いため、この上映時間に当てはめると、自ずと1曲から3曲という曲数が自然な構成となるのです。
またムービーに使用する写真の枚数とのバランスも考慮した結果、1~3曲となることが多いようです。一般的には30~50枚程度の写真が使われることが多く、1枚当たりの表示時間をコメントを読む時間も考慮して7~8秒とすると、全体の尺は5分前後に収まります。この時間内で、曲のイントロからサビ、そしてアウトロまでをきれいに収めることを考えると、やはり1~3曲が現実的と言えるでしょう。
これより曲数が多くなると、1曲当たりが短くなり過ぎてしまい、せっかくのBGMがぶつ切りな印象を与えかねません。まずはこの1~3曲を基本として、自分たちの作りたいムービーのイメージに合わせて曲数を検討していくのがおすすめです。
1曲構成でしっとり感動! メリット・デメリットを解説
プロフィールムービーの全編を、1曲のBGMで構成する「1曲構成」。シンプルながら、メッセージがしっかりと伝わる演出方法です。ここでは、1曲構成のメリット・デメリットと、その魅力を引き出すための秘訣を詳しく解説します。
1曲構成のメリット:統一感と強いメッセージ性
1曲構成の大きなメリットは、なんといってもムービー全体に生まれる圧倒的な統一感です。BGMの世界観が一貫しているため、ゲストは途中で気持ちが途切れることなく、二人の生い立ちから出会いまでのストーリーに深く没入できます。新郎新婦がその1曲に込めた「感謝」や「未来への誓い」といったメッセージも、より強く、ダイレクトにゲストの心に響くでしょう。
また使用する曲が1曲で済むため、複数曲の組み合わせや曲のつなぎ方を考える手間が省け、編集作業が比較的シンプルになるという側面もあります。
1曲構成のデメリット:単調さとの戦いと曲選びの重要性
一方で、1曲構成にはデメリットも存在します。それは、単調になってしまうリスクです。ムービーの上映中、ずっと同じ曲調が続くため、選曲や構成を工夫しないと、ゲストが途中で飽きてしまう可能性があります。特に、起伏の少ないゆったりとした曲を選ぶと、間延びした印象を与えかねません。
このデメリットを回避するためには、曲選びが重要です。1曲がムービー全体の雰囲気を決定付けてしまうため、歌詞の内容、曲の展開、長さなど、あらゆる要素を吟味しましょう。
2曲構成でメリハリ演出! メリット・デメリットは?
新郎パートと新婦パートで曲を変えるなど、2曲のBGMを使ってムービーを構成する「2曲構成」。多くのカップルに選ばれている、バランスの取れた人気の構成です。そのメリット・デメリットと、効果的な使い方を見ていきましょう。
2曲構成のメリット:シーンに合わせた雰囲気作りと飽きさせない工夫
2曲構成の大きなメリットは、ムービーにメリハリを付けられる点です。例えば、新郎パートではアップテンポで明るい曲を使って彼の快活な人柄を表現し、新婦パートでは優しく感動的な曲で彼女の温かい雰囲気を伝える、といった演出が可能です。
曲調が変わることで自然な場面転換が生まれ、ゲストの気分もリフレッシュされるため、最後まで飽きさせません。1曲では表現しきれない、二人のそれぞれの個性や歩んできた異なるストーリーを、音楽を通して効果的に伝えられます。
2曲構成のデメリット:選曲のバランスと自然な曲の移行
メリットが多い一方、2曲の選曲バランスが難しいというデメリットもあります。2つの曲の雰囲気があまりにも違い過ぎると、ムービー全体としての一体感が失われ、ちぐはぐな印象を与えてしまう可能性があります。また1曲目から2曲目へと移行する曲のつなぎ目が不自然だと、ムービーの流れがそこで途切れてしまい、ゲストの感情移入を妨げてしまうかもしれません。どちらの曲も中途半端な印象にならないよう、選曲の組み合わせと編集の工夫が求められます。
3曲構成でドラマチックに! メリット・デメリットを紹介
新郎パート、新婦パート、二人パートでそれぞれ別のBGMを使用する「3曲構成」。まるで短編映画のように、二人の物語をドラマチックに描き出せる構成です。
3曲構成のメリット:各パートの個性を際立たせ感動を積み重ねる
3曲構成のメリットは、各パートの個性をしっかりと表現できる点です。新郎の趣味や人柄、新婦の持つ雰囲気や魅力、そして二人が出会ってからの軌跡を、それぞれのパートに特化したBGMで彩れます。これにより、ストーリーに深みが増し、ゲストをより強くムービーの世界に引き込めるでしょう。パートごとに一つの小さな感動の山場を作り、その感動を積み重ねていくことで、最後の二人パートで大きな感動のクライマックスを迎えるという演出が可能です。
3曲構成のデメリット:全体のまとまりと時間配分の難しさ
豪華な演出が可能な反面、全体のバランス調整が難しいのが3曲構成のデメリットです。3曲のテイストがバラバラ過ぎると、統一感がなく散らかった印象になってしまう恐れがあります。また各曲の長さと、それぞれのパートに割り当てる写真の枚数やコメント量のバランスを均等にしないと、「一つのパートだけ極端に短い」といったいびつな構成になりがちです。ムービー全体の時間も長くなる傾向があるため、ゲストを疲れさせないよう、テンポの良い構成を心掛ける必要があります。
プロフィールムービーのBGMを選ぶポイント
ここまで曲数別の特徴を解説してきましたが、どの構成を選ぶにしても共通して押さえておきたい、BGM選びの基本的なポイントが存在します。後悔しない選曲のために、以下の4つのポイントを確認しましょう。
お祝いの場にふさわしい曲を選ぶ
これは基本中の基本ですが、意外と見落としがちなポイントです。メロディーがどんなに素敵でも、歌詞の内容が別れや失恋、片思いといったネガティブなものである場合、結婚式というお祝いの場にはふさわしくありません。特に洋楽は、心地よいラブソングだと思っていても、和訳を調べてみたら悲しい内容だった、というケースがあります。選曲の際は歌詞検索サイトなどで内容を確認し、「感謝」「愛」「希望」「未来」といった、ポジティブなメッセージが込められた曲を選びましょう。
写真の枚数とムービー全体の「上映時間」を意識する
BGMを選ぶ際は、ムービー全体の長さを意識しましょう。一般的に、写真1枚当たりの表示時間は、ゲストが写真を見てコメントを読む時間を考慮すると、7秒~10秒程度が適切とされています。例えば、写真を40枚使う場合、「40枚 × 8秒 = 320秒(約5分20秒)」のように、おおよその上映時間を算出できます。この上映時間に対して、BGMが短過ぎたり長過ぎたりしないかを確認しましょう。複数曲の場合は、各パートに割り当てる写真の枚数を決め、それぞれに合った長さの曲を選ぶ必要があります。
新郎新婦二人の「思い出の曲」や「好きな曲」を大切に
技術的なポイントも大切ですが、何よりも優先したいのが、新郎新婦二人にとって特別な曲を取り入れることです。初めてのデートで聴いた曲、プロポーズのときに流れていた曲、二人でよくカラオケで歌った曲など、個人的な思い出が詰まった曲は、他のどのような名曲よりも二人の気持ちを代弁してくれます。その曲が流れるだけで、当時の情景や気持ちが蘇り、ゲストにも二人のストーリーがより深く伝わるでしょう。ただし、どちらか一方の趣味に偏り過ぎないよう、二人でしっかり話し合って決めることが大切です。
著作権の確認を忘れない
結婚式で市販の楽曲をBGMとして使用する場合、法律で定められた著作権(JASRACやNexToneなどが管理)と著作隣接権(レコード会社などが管理)の手続きが必要です。
これを個人で行うのは非常に複雑なため、一般的には、音楽の利用手続きを代行する「ISUM」という組織を通じて申請します。式場や多くのムービー制作サービスはISUMに事業者登録しており、ISUMのデータベースに登録されている楽曲であれば、所定の申請料を支払うことで正規に利用できます。
動画制作会社では、基本的にこのISUM登録曲リストからBGMを選べるサービスとなっているため、面倒な手続きは不要です。リストにない曲を使いたい場合は手続きが複雑になるため、事前に確認しましょう。
まとめ
プロフィールムービーのBGM曲数は、1曲から3曲が基本です。しかし、曲数に絶対的な正解はありません。ムービー全体で一つの強いメッセージを伝えたいなら1曲、二人の個性をそれぞれ表現したいなら2曲や3曲というように、二人が伝えたい思いや物語に合わせて選ぶことが何よりも大切です。
この記事でご紹介した曲数別のメリット・デメリットや、選曲のポイントを参考にすれば、きっと後悔のないBGM選びができるはずです。曲選びや著作権のことで悩んだら、一人で抱え込まず、担当のプランナーや制作会社に相談してみましょう。
プリンセスネットのムービー制作サービスをご利用いただく場合は、ISUMのデータベースに登録されている曲や、著作権フリーの曲の中からお好きな楽曲をお選びいただけます。「2曲使用したい」「音源を準備してほしい」といったご要望にもお応えしています。ムービーは豊富なテンプレートからお選びいただけますので、まずはぜひWebサイトにてデザインをご覧ください。